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検索方法―簡易検索―
全國漢籍データベースのWebページにアクセスします。
このWebサイトは、京都大学人文科学研究所付属漢字情報研究センターが運営しています。
Webページにアクセスすると、文字が下図のように化けて表示される場合があります。
これは、全國漢籍データベースの文字コードがutf-8で構築されているのに対し、WWWブラウザがそれを認識していないために生じています。
文字化け表示を直すには、メニューの[表示]→[エンコード]→([その他])→[Unicode(utf-8)]を選択してください。
文字化け表示が直ったら、の部分にキーワードを入力して、[Enter]キーを押すと検索が開始されます。
キーワードに指定可能な文字は、utf-8に割り当てられている文字が利用出来るはずですが、入力方法との関係で、CJK統合漢字の範囲での入力が現実的だと思われます。
新字旧字や「說」や「説」のようなUnicodeのコードセパレート文字を区別しないで検索可能です。また、希に誤字もあるようです。
キーワードには、書名や著者名、版本の刊行年(元号)、叢書名等、後で触れる詳細検索で指定可能な各項目を、特に区別する事なく指定可能です。
検索結果の見方
検索後、以下のような画面が表示されます。
最初に、キーワードにヒットした総計が「●●レコード見つかりました」と表示されます。
次に、番号順に検索結果が書誌情報付きで表示されます。
書誌情報は以下の順に表示されます(該当する部分の書誌情報が存在しない場合は省略)。
書籍名 | 唐寫本説文解字木部箋異一卷 |
---|---|
刊行年 | 光緒九年 刊 |
撰(著)者 | 清 莫友芝 撰 |
叢書名(収録巻数付) | 許學叢書第一集 |
所蔵機関名 | 京大人文研 東方 |
「書籍名」のリンクを左クリックすると、書籍毎の詳細ページに移動します。
このページは、京都大学人文科学研究所の漢籍分類目録の書誌カードの体裁に則っています。
書名がやや大きい書体で、著(撰)者と刊行年がそれよりも小さい書体で表示されます。
また、この本は『許學叢書』という叢書に収録されていますので、叢書名のリンクを左クリックすると、該当叢書の一覧が表示されます。
叢書自体の撰者と刊行年も横に小さな字で表示されています。
この画面も、カードの体裁に則っていますが、三行目の「京大人文研 東方 P.57」は『京都大学人文科学研究所漢籍分類目録』の該当ページを指しています。
[檢索畫面に戻る]を左クリックすると、検索画面に戻ります。
検索方法―詳細検索―
全國漢籍データベースのトップページ上で、[詳細檢索]を左クリックすると、詳細検索用のページに移動します。
こちらのページもutf-8でエンコードされていますので、文字化け表示されていたら、メニューの[表示]→[エンコード]→([その他])→[Unicode(utf-8)]を選択して、文字化けを解消してください。
入力する文字については、簡易検索のページと同じです。
所蔵機関の[▼]を左クリックすると、現在漢籍データベースに登録されている所蔵機関の一覧が表示されますので、特定の所蔵機の書籍を検索したい場合は、ここで所蔵機関を選択してください。
2003年2月現在の登録機関一覧です。
東北大・滋賀大教育・高知大・鹿大・実践女子・立命館・千葉県立中央・東大東文研・京産大・広島大・京大人文研東方・三康
「検索のコツ」を左クリックすると、Tipsのページが表示されます。
詳細検索のページでは、各項目に必要なキーワードを入力して[檢索]を左クリックすれば、検索が開始されます。
検索に使用可能な条件式の一覧
条件式で用いる空白は、全角半角どちらでも構いません。
検索条件 | 条件式 | 事例 |
---|---|---|
|
A B |
「論語」「孟子」の両方を含む |
|
A +B |
「史記集解」「史記索隱」「史記正義」のどれか一つを含む。 |
|
A -B |
「史記」は含むが「漢書」は含まない。 |
|
B +C A |
「禮記」に加え「小戴」「大戴」の何れか一方を含む。 「小戴禮記」「大戴禮記」が該当 |
|
"A" |
「漢書」のみの書籍を検索する。 「前漢書」「漢書補注」「後漢書」「後漢書集解」等は含まれない。 |
ここでは、「出版者」に「毛氏汲古閣」を指定しました。
結果表示は、上と同じなのでそちらを参照してください。
検索項目の中で「子目」に関しては、他の項目とは少々意味合いが異なります。
例えば、「史記」と子目にキーワードを入力して検索すると、以下のような検索結果が表示されます。
30番台は、一見するとキーワードと関係が無さそうにも見えますが、実はこれらは叢書なので、その中にそれぞれ「史記」の文字が含まれる書籍が収録されています。
また、40、41番には「史記」の文字が見えますが、これらは単行の書物として目録に登録されている類の書籍になります。
この例から解るように、「子目」を指定して検索すると、収録されている叢書名と単行扱いで収録されている書物が表示されます。
これを利用すれば、ある書籍がどの叢書に収録されているか、あるいは所蔵機関に単行扱いで所蔵されているかを一望にする事が可能です。
ある書籍を検索するのに、叢書に含まれるものを除きたい場合は、「書名」と「子目」との両方とに検索したい書籍名を入力しましょう。
全國漢籍データベースとは、全国漢籍データベース協議会の運営にかかる、全国の各種研究機関の所蔵する漢籍について、伝統的漢籍分類方法(四部分類等)に基づいてデータベース化しようとする試みです。
現在では、京都大学人文科学研究所所蔵の漢籍を中心はじめとして、多くの所蔵先の漢籍が登録されています。
立命館関係の漢籍は、中国文学の故高木正一氏所蔵漢籍目録が収録されています。
現在も、全国の機関に呼びかけて総合漢籍データベースの構築を構想しているようで、従来の個々の漢籍目録から検索する時代から、ここのデータベースを利用して全国の漢籍を一括して検索出来る日も遠くないかと思います。