中国史の論文やレポートを書くために

東洋学文献類目検索を利用する

ページ内目次

中国史の論文やレポートを書くために

睡人亭内参照ページ

外部参照Webサイト

睡人亭トップ授業用中国史の論文やレポートを書くために東洋学文献類目検索を利用する

『東洋学文献類目』とは、京都大学人文科学研究所付属東アジア人文情報学研究センター(旧称:漢字情報研究センター)が毎年発行する一年ごとの東洋学関連書籍・論文目録の事です。

東洋学関連の先行研究が外国文献も含めて大体網羅されていますので、先行研究を調べる際には、まず第一に見ておく必要があります。

ここに収録されている論文や書籍については、「少なくとも京都大学には所蔵されている」という事になりますので、立命館に所蔵されていなくても、京都大学図書館(或いは各学部・研究所図書室)への紹介状を持っていけば閲覧が可能です。

また、東アジア人文情報学研究センターではオンライン版も併せて公開しています。ここでは、オンライン版の利用方法について解説します。

但し、書籍版もタイムラグ(現在の二年程度前の年度版が最新版です。)があるように、オンライン版は書籍版よりもさらにタイムラグが生じます。

2009年6月現在では、1969年度版~2000年度版までのデータ(バージョン5)、と1981年度版以降の範囲のデータ(バージョン6)が検索可能なようです。

また、書籍版には収録されていないデータ(文史資料等)も収録されています。

現在、東洋学文献類目検索は「バージョン5」「バージョン6」の二種類が現役で稼働中です。また、昔のバージョンとして「大型計算機センター版」「バージョン3版」「バージョン4版」ありました。

ここでは、「バージョン5」「バージョン6」を中心に使い方について説明します。

ページ先頭

二種類の現行バージョン

上にも書きましたように、東洋学文献類目検索の現行バージョンは、バージョン5バージョン6の二つあります。

バージョン5の画面
バージョン6の画面

それぞれのWebページで説明が若干異なるのですが、今のところ以下のように理解しておきます

バージョン5
1969年度版~2000年度版まで
バージョン6
1981年度版以降

但し、論文結果の文字の中で非JIS第一・第二水準漢字の表示が、バージョン5では画像・6では文字で出力される(但し、バージョン5と重複する部分は画像)という違いがあるようです。

両方のバージョンの使い方は同じです。以下、利用方法について説明は、バージョン6を対象にして行います。

利用方法

利用方法は以下の通りです。

  1. バージョン6のWebページにアクセスします。
  2. WebページのエンコードはUTF-8です。もし、画面が文字化け表示になっていれば、文字コードをUnicode(UTF-8)に変更して下さい。

検索の方法は、以下の通りです。

  1. [題名]及び[著者]のフォームボックスにキーワードを入力します。何れも、部分一致での検索に対応しています。
    • [題名]には、論文や書籍の題名を入力します。
    • [著者]には、編著者名を入力します。
  2. 検索したい各[分類]のチェックボックスにチェックを入れます。
  3. [分類]に何も入れなければ全ての分野が対象となります。
  4. 入力はUnicodeの文字は一応入力及び検索が可能なようです。
    • 簡体字・繁体字も使用可能です。
    • また、文字はデータベース側で自動的に異体字同一視検索を行っているようなので、[汉代]と入力した場合でも、[漢代]と[汉代]の両方の結果が表示されます。
  5. キーワードを入力し、分類のチェックを確認したら、[検索開始]を左クリックしてください。

検索結果を見る

ここでは、「楚公𧱌钟」を著者のキーワードとして検索しました。

「𧱌」がUnicodeの拡張B領域・「钟」が簡体字になります。

検索結果もUTF-8で表示されますので、もしページが文字化け表示されていたら、先ほどと同様にブラウザのエンコードをUTF-8に設定して文字化けを解消します

正常な表示及びそれぞれの項目の説明は、以下の通りです。

検索結果の画面の一部です。日本の論文場合は、簡体字ではなくJIS漢字の字体で表示されています。

実際には、画面の一番上に「■件見付かりました。」と検索結果の総数が表示されます。もし見つからなかったら0件と表示されるはずです。

また、検索結果は表組みで出力されますので、大量の検索結果が存在した場合は、全ての結果が表示されるまでかなりの時間がかかります。

但し、外字処理されている(画像で表示される)文字については、該当するキーワードにもかかわらず、ヒットしない場合もあります。

例えば、以下の事例がそれに当たります(「𧱌」「鐘」が外字処理されているため、上記のキーワードではヒットしません)。

表の項目名

表の項目名の説明です。

ID
データベース上の登録番号を示す
題名
論文の題名を示す
著者
論文の著者名を示す
雑誌名
掲載誌名を示す
雑誌の第何巻かを示す
雑誌の第何号かを示す
ページ
当該論文の収録ページを示す
出版年
掲載誌の出版年を示す
分類
『東洋学文献類目』上の分類を示す
地域
論文の対象地域を示す
時代
論文の対象時代を示す

大型計算機センター版

京都大学大型計算機センターのサーバーにある『東洋学文献類目』で、CHINA3と呼ばれます。

これがオリジナルのデータベースですが、有料(私費では利用できない。立命館では図書館のインフォメーションカウンター経由で利用可)なのと、アクセスが基本的にtelnet経由という不便さのため、今まで東洋学関連の研究者には利用されてきませんでした。

また、下図のようにWWW用のインターフェースも存在していますが、入力可能な文字がJIS X 0208の範囲に限定されている事に加え、複数分野や全分野一括指定検索ができないので、使い勝手はよくありませんでした。

大型計算機センター版の画面

バージョン3

上記漢字情報研究センターのサーバー上で運営されている『東洋学文献類目』で、こちらは無料で利用できます。

但し、検索項目は「論文の題名」のみで、検索結果の表示もJIS X 0208:1997(エンコーディングスキームは選択可能)+画像という構成です。

バージョン3の画面

バージョン4

バージョン3と同じく,、漢字情報研究センターのサーバー上で無料運営されています。

こちらは、オリジナル版と同じ「題名」「著者名」「分類」の三つのキーワードが利用できます。

複数分野や全分野指定での検索も出来るなど、使い勝手はオリジナルWWW版より上になっています。

utf-8でページが構築されていますので、キーワードの指定にもJIS X 0208収録外の漢字が使用可能です。

また、後述の結果表示時に画像で表示される文字列もずいぶんと少なくなってきました。

バージョン4の画面

漢字文献情報センターが、東アジア人文情報学研究センターに名称変更したこととサーバーの移転に伴い、使用できなくなりました。


睡人亭謹製